Sunday, January 04, 2009

こいつは春から


あけましておめでとうございます。

と言うことで、友達Aさんに誘われ、親戚筋のアーティストSくんと一緒に新春歌舞伎を鑑賞するため新橋演舞場へ行って参りました。

実は母親が演舞場で同じ顔ぶれで一度観ていて、お勧めだったのですが、正に春から演技が良い感じです♪

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出演(?)は市川海老蔵&中村獅童です。いや〜イケてますねー。

演目は七つ面、恋飛脚大和往来&弁天娘女男白波の3つでした。始めは台詞(?)とか分るのかな〜とか、実際観ていて面白いのかな〜、と「??」でしたが、これが面白かったです。ボクは、まずは掴み(?)の「七つ面」から見てビックリでした。

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「七つ面」は面打ちの元興寺赤右衛門(海老蔵)が文字通り七つのお面を用いて、厄よけの儀式を執り行う、、、といったストーリーらしいのです。

実際、海老蔵が七つの面(翁、猿、荒事の若衆、公家荒、関羽、般若、恵比寿)を取っ替え引っ替え踊るのんです。いや〜、見事です。

我々3人はイヤホン音声解説を聞きながらの鑑賞だったのですが、解説で言っていたのは、この面の早変わり(?)をサポートする後見も、大変緊張する役目で、これがまた見事でしたー。

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続いて獅童の「恋飛脚大和往来」。

こちらは飛脚問屋の若旦那忠兵衛と遊女梅川は夫婦になる約束をした仲。忠兵衛は身請けの手付け50両を支払うものの、残り250両が用立て出来ません。しかし飛脚仲間の八右衛門(ケチで金持ち)が梅川の身請けをするとポンと300両出すのを見て、忠兵衛は客から預かった金を使ってしまいます。今で言う横領ですね〜。

ちなみに100両が今の感覚で1000万だそうですから、身請けは約2500〜3000万だそうですヨ。

獅童演じる忠兵衛はダメ男なんです。しかし憎めないキャラで、結局、忠兵衛と梅川は死罪(横領は死罪だそうです)を逃れるため逃亡を決意するのですが、梅川も自分の為に罪を犯した忠兵衛を更に愛おしく思う、とか。獅童さん、スキャンダルも芸の肥やしです。

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最後に「弁天娘女男白波」。

有名な弁天小僧のお話ですが、ちゃんと観るのはこれが初めてでした。「知らざあ言って聞かせやしょう」とか「問われて名乗るも おこがましいが、、、」なんて台詞も舞台で初めて聞きました。

弁天小僧は、その美貌から女装をして美人局(詐欺ですね)や強請り、集りをする悪人。悪党集団、白波五人男の一人ですが、序幕では呉服問屋の浜松屋に武家の娘としてやって来て、婚礼の衣装を選びます。

しかし、その場にいた玉島逸当(左團次)がそれを弁天小僧と見破ります。しかし、しかし、その玉島逸当こそが白波五人男の頭、日本駄右衛門だったのです。今で言う、集団詐欺ですね。

二幕目の大詰では、弁天小僧が極楽寺の屋根で立腹(立ったまま切腹する)、その後の場面では極楽時山門での駄右衛門の立ち回り、更にその後の場面では青砥左衛門藤綱(海老蔵二役。今でいう警視だか判事だからしい)が情けをかけ、駄右衛門を見逃す場面などあり、見所満載でした。

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Aさんも言ってくれていましたが、今年は日本人の原点に戻って和を極める年になると良いですネ。