

(ネタバレ。これから見る人は読んではいけません。)
今週末はここ2週間遊んでしまったため出来なかった家の用事などをしつつ過ごしました。で、ポッカリと時間が空いた本日、数週間ぶりに映画館で映画を見ました。
『ブラインドネス』です:
http://blindness.gyao.jp/
http://www.blindness-themovie.com/
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監督は『ナイロビの蜂』のフェルナンド・メイレレス。主演にジュリアン・ムーア。&マーク・ラファロ、ダニー・グローヴァー&ガエル・ガルシア・ベルナルと個性派です。日本からは木村佳乃さん&伊勢谷友介さん。
もともと映画館で予告編を見て、面白そうだと思ってはいたのですが、最初は『アイ・アム・レジェンド』、『ハプニング』、古くは『復活の日』の様な、イワユル”世界規模で人類滅亡パニックもの”かと思っていました。
しかし良い意味で裏切られましたネ。
原作はジョゼ・サラマーゴの小説『白の闇』。ある日突然、人々が次々に失明していきます。失明と言っても強い光を見る様に、目の前が真っ白に。しかし一人だけ失明しない女性がいました。彼女は失明した人々の惨劇を見続ける事になるのですが。。。
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実は先々週、温泉に行った時のこと、普段は見ないテレビを朝ぼんやりと見ていると、監督のフェルナンド・メイレレスさん、木村佳乃さん&伊勢谷友介さんが3人揃ってトーク番組に出ていたんです。
話を聞いて面白かったのは、役に名前がない事。
俳優さん&役柄を一覧にすると、、、
ジュリアン・ムーア → 医者の妻
マーク・ラファロ → 医者
アリシー・ブラガ → サングラスの娘
伊勢谷友介 → 最初に失明した男
木村佳乃 → 最初に失明した男の妻
ドン・マッケラー → 泥棒
モーリー・チェイキン → 会計士
ミッチェル・ナイ → 少年
ダニー・グローヴァー → 黒い眼帯の老人
ガエル・ガルシア・ベルナル → バーテンダー
と、こんな感じです。
どうやら監督は、特定の過去や背景がない人物群を描きたかったみたいです。不思議な事に、名前や背景が分からなくても、と言うか分からないからこそ、緊張感を伴ってストーリーが進んだのかも知れません。
何かのサイトではジュリアン・ムーアが彼女の赤毛を金髪に染めた話をしていて、映画が進むにつれて地毛が表れて来るんです。
言われないと気が付かないかも知れませんが、彼女はそれで夫に依存しないと生きていけない女性を表現したそうです。なかなか興味深いです。
個人的にはラスト近くの、最初に失明した男が視力を取り戻すシーンがとても印象的でした。白いミルクに注がれたコーヒーが薄らと見えてくるんですが、コーヒーの香りを感じるシーンだったと思います。
ダニー・グローヴァー演じる眼帯の老人が、若いコールガールに「二人で暮らそう」と告白するシーンも秀逸でした。
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見て良かったと思ったのは、人間は最悪の状況でも決してユーモアを忘れない、と思い出させてくれた事。
今、出来る事をする。笑う事を忘れない。今に自分にもキーワードです。